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月刊YOMOYAMA書院
YOMOYAMAニュース 第4回
『霞ヶ関埋蔵金』


 20XX年。
 環境破壊による地球温暖化は度重なる異常気象を巻き起こし、
 それに伴い世界経済は混乱の一途を辿った。
 発展途上国のみならず、先進国ですら国家破綻寸前。
 それは日本も例外ではなく、
 かつては500兆円にも達していたGDP(国内総生産)GNP(国民総生産)は共に一兆円を下回り、
 中央政府はその機能を果たしておらず、まさに風前の灯火であった。
 しかし、この国には一つの伝説があった。
 かつては世界でも有数の繁栄を誇ったT地区。通称、廃都トウキョウ。
 その地のKエリアと呼ばれる場所の何処かには、
 国家を建て直す程の莫大な財宝が眠っていると言う。
 常に霧が掛かっている事からミストバレーと呼ばれるKエリアの古き呼び名は『霞ヶ関』
 かつての繁栄を取り戻したいと願う日本国民は、夢と希望を込めて、
 その伝説をいつしかこう呼ぶようになった。
 『霞ヶ関埋蔵金』と‥‥


 ‥‥なーんて(f^_^;
 いつもとは、ちょっと違う趣向で始めてみました今月のYOMOYAMAニュース。
 今回は巷でも噂になっている『霞ヶ関埋蔵金』の話題です。
 (決して上に書いたような話じゃないですよ。勘違いしちゃダメですよ(笑))

 埋蔵金。
 良い言葉です。和清が好きな言葉の中でも五本の指に入ります。
 なんと言ったって夢とロマンがあります。
 昔、テレビでやっていた徳川埋蔵金伝説には心躍らせました。
 子供の頃、オカルトマニアだった和清は、
 四国、徳島の剣山にはソロモン王の秘宝が眠っていると信じて疑いませんでした(笑)

 しかし、この『霞ヶ関埋蔵金』に関してだけは夢もロマンもありません。
 言ってみれば、国民の血税の墓場、とでも申しましょうか‥‥

 毎年、年末近くになると必ずと言っていいほど話題に上るのが国家予算案。
 その関連で去年から話題に上り始めた『霞ヶ関埋蔵金』問題。
 では、そもそもこの『霞ヶ関埋蔵金』とは一体何なのか?、
 というところから話を進めましょう。


 国の会計予算というものは大きく分けて、
 一般会計、地方財政計画、特別会計の三つに分かれます。

 一般会計とは、
 内閣や各省庁、防衛関係費、地方交付金、社会保障などの政策経費に割り当てられるお金です。
 要するに日本という国を動かす為のお金ですね。
 でも、一番大きく割り当てられているのは国債への支払い。
 つまり、国が背負っている借金への支払いです。
 問題は山積みですが、とりあえず見た目にも流れ方が一番分かりやすいお金じゃないでしょうか。
 これらは主に所得税、消費税などの国税によってまかなわれています。

 次に地方財政計画。
 これは各地方自治体の予算計画の事で、
 主に地方公務員の給与や公共サービス(福祉、学校教育、道路建設など)に割り当てられます。
 色々と見直しが叫ばれているようですが、
 とりあえず一番身近に感じられるお金の使い道じゃないでしょうか。
 これらは主に地方税や国からの補助金でまかなわれています。

 そして最後に特別会計。
 これは一般会計などからは切り離されて会計されるお金のことです。
 つまり、「保険料は社会保険だけに、国民年金で集めたお金は国民年金だけに使いましょう」
 というお金の事なんですが、一般会計からの繰り入れもあるみたいで、
 完全に独立しているわけでもないみたいです。
 この特別会計は所管省庁に任されている為(社会保険なら社会保険庁)
 一般には分かりづらいお金になっています。

 そしてここが問題の『埋蔵金』の在り処です。

 厳密に言うと、特別会計には特別会計積立金というものがあって、
 その一部の積立金の中には余剰金が存在しているそうで、
 この余剰金が『霞ヶ関埋蔵金』

 元々、特別会計の「無駄な歳出」は民主党が指摘していたようなんですが、
 その「無駄」を最初に明確にしたのが自民党の中川秀直・元幹事長。
 消費税などの「増税なき財政再建」を掲げる中川氏は、
 『財政融資資金』
 『外国為替資金』
 この二つの特別会計の積立金には繰越利益(余剰金)があると指摘。
 その額、二つ合わせて、なんと約40兆円。
 「特別会計の過剰な積立金は国民に還元すべきだ」と中川氏。
 つまり、増税なんかしなくても一般会計の赤字の部分はこの金を充てれば良い、ということ。

 これに真っ向から反論したのが「増税容認派」。
 与謝野馨・前官房長官が「霞が関埋蔵金伝説の域を出ない」と切り捨てると、
 続いて谷垣禎一政調会長が「どこにあるのか」
 町村信孝官房長官も「一度きりの積立金の取り崩しは財源にはならない」と否定。
 福田首相まで、
 「一緒に埋蔵金を探しにいきましょうか。あればいいけどね‥‥」と冷笑する始末。

 それに怒った中川氏が後日、首相に直談判。
 記者会見で中川氏との会談の内容を質問されると「今の政治状況について話した」、
 とだけ答えたそうですが、そのわりには、後日発表した平成20年度政府予算案で、
 「財政融資資金特別会計の積立金から9兆8000億円を国債の返済に充て、
  外国為替資金特別会計など5つの特別会計から1兆9000億円を一般会計に繰り入れる」
 と発表。

 『おいおい、埋蔵金は無いんじゃなかったのか‥‥?』

 結局、福田首相自ら埋蔵金の存在を示す形となったわけですが、
 それでも埋蔵金の存在そのものに関しては言及するに至らなかったようです。

 その後、中川氏が、
 独立行政法人(中央省庁がそれぞれ行っている事業を独立させ、法人として運営している組織)
 にも埋蔵金があると指摘すると、
 今年に入って民主党・細野豪志氏が、
 特別会計の余剰金は68兆円、
 独立行政法人の余剰金は16兆7000億円、
 独立行政法人の関連会社と公益法人(主務官庁の許可を得て営利を目的とせずに、
 公益に関する事業を行っている法人団体)の余剰金は11兆1000億円との試算結果を公表。
 衆院予算委員会で有益な活用を求めました。
 この細野豪志氏の試算結果は一時ネットでも大分話題になっていました。

 しかし、結局は2月27日に自民党の財政改革研究会(会長・与謝野馨前官房長官)は、
 「不要なものは国債の償還財源などに活用することがルール化されている」とした上で、
 埋蔵金は存在しないとする報告書を発表。
 特別会計の積立金については、
 「それぞれの目的に沿って積み立てられている」
 と強調した上で、民主党・細野豪志氏が主張した68兆円の余剰金に対して、
 「黒字の特別会計にのみ着目した計算。すべて合わせた差額は289兆円の赤字」
 と反論しました。
 独立行政法人に関しても、
 「土地、建物などの資産のほとんどは研究施設や事務、事業のために使用されており、
  処分は困難」と指摘。
 この発表は消費税増税への地ならしとも見られているようです。

 そして2月29日。
 衆議院本会議は平成20年度予算案とガソリン税等を含めた税制関連法案に納得しない野党3党
 (民主、社民、国民新)が欠席、共産党は出席して反対する中、
 与党(自民・公明)は予算案を強行採決。参議院へと送付。
 野党からは大ブーイング。
   憲法60条は、送付後の予算案は30日以内に参院が議決しない場合は自然成立すると定めている為、
 混迷の一途を辿る今年度の予算案は年度内に成立する見通しのようです。

 そして、誰も納得できないまま『霞ヶ関埋蔵金』問題は宙に浮いたまま‥‥


 さて、今回の記事を書くにあたって色々と調べましたが、
 和清が一番驚いたのは国債や借入金の負債額。07年12月末で‥‥

 なんと838兆50億円!

 なんでしょうか?、この莫大な金額は。
 でも、小市民の和清には「日本は火の車なんだ‥‥」ってこと以外はイマイチ、
 ピンときません。
 と、言う訳で、分かりやすく書いてみます。つまり‥‥

 国民一人当たりの負担額に換算すると655万9000円!

 ちなみに和清の現在の財布の中身は4000円弱(笑)

 『無理です。負担できません。勘弁してください‥‥』

 こんな思いは和清だけじゃないはずです。
 それでも徴収しようとしているのが現在の日本政府。つまり『消費税増額』です。
 そこに浮上してきたのが、霞ヶ関埋蔵金問題なわけです。
 「借金だらけなのに余剰金があるのはおかしいでしょ?」
 という話。
 これに関しては「塩ジイ」の相性で親しまれている塩川正十郎・元財務大臣は、
 こんな発言をしていました。

 「母屋(一般会計)では親がお粥を食べているのに、
  離れ(特別会計)では子供達がスキヤキを食べている」


 なかなか上手い事を言うものです。非常に分かりやすい例えだと思います。
 そして、和清が調べた限りでは、このまま放っておくと、
 お粥はアワ・ヒエに、スキヤキは松坂牛に変ります。
 いかんともしがたい事態です。早急に何とかしなければいけません。

 ただし、『霞ヶ関埋蔵金』という物が本当にあればの話なんですけど‥‥

 実際ここまで調べてみて、和清自身が感じた率直な意見としては、
 本当にあるのか分からないお金、だからこその『埋蔵金』という感じでした。
 なんと言っても、特別会計のお金の流れが不透明すぎます。
 不透明すぎて、自民党内や省庁で直接関わっている人達も把握しきれないんじゃないんでしょうか?
 だからこそ「ある・ない論争」が起こるんじゃないんでしょうか?
 実際、特別会計から11兆7000億円というお金が国債に当てられたり一般会計に繰り入れされる、
 という予算案は出されていますが、
 財政改革研究会の報告書からは、
 「出すものは出すんだから、もう勘弁してくれ」
 という感じもします。
 しかし、他の人間が計算すれば「まだ出せるはずだ」と言う。
 計算する人間によってころころ変る我が国の財源。

 『これなら主婦の方が、まだやりくり上手だ』

 とは言い過ぎかもしれませんが、
 自分達の財布の中身くらいキチンと把握しておいてもらいたいものです。
 だってそれは私達国民の税金から成り立っている物なんですから。

 ただ、所管省庁の「無駄遣い」に関しては事実です。
 つい最近の事ですが、国土交通省所管の公益法人「国際建設技術協会」が、
 約一億円のお金を掛けて07年に作った「海外における道路事情の調査報告書」が、
 たった三部しか印刷されておらず、
 しかも中身はウィキペディアなどネットからの引用ばかりだったという事が発覚しています。
 大学生だって論文にウィキペディアなんか引用しません。
 そして、もちろんこの使われた約一億円(厳密には9200万円)は、言わずと知れた私達の税金です。
 一体どこに消えたんでしょう?
 月のブロードバンド料金だって4000円くらいなもんです。
 報告書は1100ページだったそうですが、たった三部なら3300枚。
 家庭用プリンターだって印刷、コピーに2、3時間もあれば出来ます。
 怒りを感じるのは和清だけじゃないはずです。


 さて、扉にも書きましたが、正直言って、政治・経済は和清の専門外です。
 しかし、この『霞ヶ関埋蔵金』問題だけには興味を引かれ、
 一から勉強するつもりで調べたのですが、調べれば調べるほど、
 「自分はこんな人達に税金を払っているのか‥‥」
 という思いばかりでした。
 ともかく、埋蔵金があるにしろ、無いしろ、
 もしあるのなら国民が納得ゆく有益な使い方をしてもらいたいですし、
 本当に無いのなら、
 いつまでも不毛な論争を続けずに、無用な特別会計・独立行政法人・公益法人の削減に努め、
 少しでも財源を浮かせてもらいたいものです。
 「真面目に働き税金を払っている人達が二日に一本の発泡酒を飲んで、
  その税金を貰っている人達が毎日ビールを飲んでいる」

 そんな世の中は誰も願ってはいません。
 『正しい国家』というものを一日でも早く作ってほしいと願うばかりです。

 それではまた。

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