月刊YOMOYAMA書院
YOMOYAMAニュース 第3回
『あぶれる人々』
年始の慌しさも何処へやら、日常にすっかり落ち着きを取り戻した二月。
いかがお過ごしでしょうか?、和清です。
まあ、二月が過ぎたら今度は春への準備で慌しくなるわけで。
衣替えをしたり、布団を圧縮したり、行楽の予定を立てたりと。
しかし、世の中にはそれどころではなく、
今現在において明日の仕事すら危ぶまれている人達もいます。
『グッドウィル事業停止事件』
今回はこの事件に関して書いてみたいと思います。
それではまず、この事件の流れから。
〇去年2月、都内の港湾においてグッドウィルに所属していた男性が荷役作業をしていた際、
荷崩れによる労災事故にみまわれ、グッドウィルの違法派遣・二重派遣が発覚。
東京労働局が調査に乗り出す。
〇その後、東京、静岡、千葉、熊本でも違法派遣・二重派遣が明るみに出る。
<詳細>
@東京(違法派遣・二重派遣)
港湾運送関連会社「東和リース」を一次派遣先として、そこを介して都内のふ頭や船舶に
派遣労働者を送り込む。(派遣総人数52人)
A静岡(二重派遣)
一次派遣先を派遣会社「佐川グローバルロジスティクス」として、そこを介し、
静岡県浜松市の倉庫内に派遣労働者を送り、仕分け作業などをさせる。(派遣総人数1994人)
B千葉(二重派遣)
一次派遣先を派遣会社「グローバルサポート」として、そこを介して、
千葉県市川市の倉庫内に派遣労働者を送り検品の作業などをさせる。(派遣総人数452人)
C熊本(違法派遣)
熊本県玉名郡長洲町に派遣労働者を送り、工場増築工事で、
立体自動倉庫システムの設置工事をさせる。(派遣総人数3人)
これらに上げた派遣はいずれも、
港湾運送業務及び建設業務の派遣労働を禁じる労働者派遣法第4条と、
二重派遣などの「労働者供給事業」を禁じる職業安定法第44条に違反しています。
〇07年12月19日、グ社は東京労働局より事業停止処分の通知を受け、同月22日、内容を発表。
同日、プロ野球チーム西武の本拠地であるドーム球場と二軍のネーミングライツ(命名権)
の契約解除を申し入れ。後日、西武側もそれを受け入れる。
〇今年の1月8日、グ社は東京労働局に弁明書を提出。ホームーページにそれを公開。
〇同月12日、東京労働局はグ社に関する労働相談を開始。
〇同月17日、グッドウィルユニオン(グッドウィル労働組合)は日雇い派遣労働者に対する保障を
要求する緊急声明文をグ社と厚生労働省に提示。
〇同月18日、事業停止命令の処分が実施。これによりグ社は全708支店が2〜4カ月間の事業停止。
契約派遣先との新たな締結、延長、更新が出来なくなる。
2008年2月22日現在、停止処分中。
さて、まだ記憶に新しい去年の六月に起こった「コムスン事件」に続いてのグッドウィルグループへの
行政処分なわけですが、ここで和清が一つ疑問に思うのは、
『なぜグッドウィルグループばかりが目の敵にされているのか?』
と言うこと。
脱税をしている疑いがあるから、まずは外堀から埋めていって金の流れを掴もうとしているのか?
とか、
フリーターをこれ以上増やさない為の元絶ちか?
とか、
最大手だからこその単なる「見せしめ」か?
とか、
まあ色々な思いが脳裏を過ぎる訳ですが、ここは憶測で物を言うのはよしましょう。
『違反をしたから罰せられた』
ただそれだけの事なのでしょう。
実際この会社、人づてに聞くだけでもかなり酷い会社だと聞きます。
労災隠しや企業側から交通費を請求しといて派遣労働者には払わなかったり、
労働保険や社会保険の適用を除外したり、
少し前に話題になった賃金からの不透明な天引きなど。
営業所の人間もいい加減な人間が多く、
「ただ単に現場に出たくないという理由だけの人間が事務に入っている」
なんて噂も聞きます。
さて、ここで少し話題は逸れますが、実を言うと、この和清もその昔、
少しの間ですがグッドウィルにお世話になっていた時期があるのです。
引越し業務が主でしたが、二日間ほど建設現場へ派遣された事がありました。
内容はエレベーター工事の補助業務。職種上、当然、高所作業もありました。
まあ、これは明らかな労働者派遣法第4条に違反する違法派遣なわけですが、
そんな事とはつゆ知らず、当時の和清は何も疑問を抱かずに働いておりました。
「港湾や建設現場への派遣って違法だったんだ」
と、今回の事で知った人も少なくはないんじゃないんでしょうか?
そうなんです、こんな事は随分と以前から行われてきた事なんです。
和清から言わせてもらえば「何を今更‥‥」という感がありました。
例を上げると、埼玉スーパーアリーナの建設中でもグッドウィルの派遣労働者など何人も
見ましたし、営業所では安全帽と安全帯、安全靴の貸し出しもしていました。
これだけ当たり前のように行われていると、
「営業所の人間でもこの法律を知らなかった人間がいるんじゃないか?」
と、疑いたくなってしまいます。
しかし、それでも和清が言いたいのは、
『派遣先がどうあれ、とにかく生活は助かった』
という事なんです。グッドウィルのような会社が『必要悪』だとまでは言いません。
違法行為をしているような会社に対し政府は、どんどん摘発してもらって結構です。
しかし、それによって被らなくてもいい被害を被る人々が居るという事を忘れないでもらいたい。
『コムスン事件』の時もそうでしたが、それを行う事によって明日の生活すら危ぶまれる人々が
居るのです。
まずは、そういう人達への救済措置が先決なんじゃないのでしょうか。
グッドウィルユニオン(グッドウィル労働組合)は厚生労働省に対し、
今回のグ社に対する処分により予想される失業者全員に対し日雇雇用保険の遡及加入を
申し入れたようですが、厚生労働省側は、
『日雇雇用保険の遡及加入は行わない』
と回答したようです。
グ社側も何か保障しようとする様子は見えません。
東京労働局も失業者への相談は受け付けているようですが、相談はあくまで相談、
生活を保障してくれるわけではありません。
結局、上でばかりやり取りをしていて、その下で働いている人々へは目が向いてないのです。
『親分が馬鹿だと苦労するのは子分』
なんて言葉がありますが、今回の事はまさにそのままなんじゃないんでしょうか?
そして、登録者数290万人と言われているグッドウィルの日雇い派遣労働者の人達が
本当に願っているのは、二重派遣や違法派遣の摘発ではなく、
『劣悪な労働条件の改善』
なんです。二重派遣は派遣料金を取る会社が増えるので派遣労働者の賃金を引き下げます。
これも劣悪な労働条件の一つですが、それ以上に和清が言いたいのは、
『派遣先での労働環境の改善』です。
某大手引越し会社では「グ社から来た奴は人間だと思わなくていい」という、
ふざけた社員教育をしているという噂を聞いた事があります。
その話が事実かどうかは分かりませんが、
実際、和清もその会社に派遣され、酷い扱いを受けた事があるのは確かです。
しかし、グ社側はそんな派遣先に対して抗議をする事は一切ありません。
これは明らかな、
『派遣労働者の使い捨て体制』
なんじゃないんでしょうか。今回の事に関しても、登録者には「1月18日より業務が停止します」
といった内容がメールで送られてきただけのようです。このようなおざなりな対応も『使い捨て体制』
を明らかにしているように思われます。
グ社にはもう少し自分達が派遣する労働者に対し、責任と思いやりを持ってほしいものです。
そして政府は、日雇い派遣の人達がどれだけ劣悪な環境で働いているのか、という事を認識し、
それを改善する案を出してほしいものです。
労働者の願いはただ一つ。
『良い環境で労働力に見合った賃金を』なんですから。
それではまた。
YOMOYAMAニュース 第3回
『あぶれる人々』
年始の慌しさも何処へやら、日常にすっかり落ち着きを取り戻した二月。
いかがお過ごしでしょうか?、和清です。
まあ、二月が過ぎたら今度は春への準備で慌しくなるわけで。
衣替えをしたり、布団を圧縮したり、行楽の予定を立てたりと。
しかし、世の中にはそれどころではなく、
今現在において明日の仕事すら危ぶまれている人達もいます。
『グッドウィル事業停止事件』
今回はこの事件に関して書いてみたいと思います。
それではまず、この事件の流れから。
〇去年2月、都内の港湾においてグッドウィルに所属していた男性が荷役作業をしていた際、
荷崩れによる労災事故にみまわれ、グッドウィルの違法派遣・二重派遣が発覚。
東京労働局が調査に乗り出す。
〇その後、東京、静岡、千葉、熊本でも違法派遣・二重派遣が明るみに出る。
<詳細>
@東京(違法派遣・二重派遣)
港湾運送関連会社「東和リース」を一次派遣先として、そこを介して都内のふ頭や船舶に
派遣労働者を送り込む。(派遣総人数52人)
A静岡(二重派遣)
一次派遣先を派遣会社「佐川グローバルロジスティクス」として、そこを介し、
静岡県浜松市の倉庫内に派遣労働者を送り、仕分け作業などをさせる。(派遣総人数1994人)
B千葉(二重派遣)
一次派遣先を派遣会社「グローバルサポート」として、そこを介して、
千葉県市川市の倉庫内に派遣労働者を送り検品の作業などをさせる。(派遣総人数452人)
C熊本(違法派遣)
熊本県玉名郡長洲町に派遣労働者を送り、工場増築工事で、
立体自動倉庫システムの設置工事をさせる。(派遣総人数3人)
これらに上げた派遣はいずれも、
港湾運送業務及び建設業務の派遣労働を禁じる労働者派遣法第4条と、
二重派遣などの「労働者供給事業」を禁じる職業安定法第44条に違反しています。
〇07年12月19日、グ社は東京労働局より事業停止処分の通知を受け、同月22日、内容を発表。
同日、プロ野球チーム西武の本拠地であるドーム球場と二軍のネーミングライツ(命名権)
の契約解除を申し入れ。後日、西武側もそれを受け入れる。
〇今年の1月8日、グ社は東京労働局に弁明書を提出。ホームーページにそれを公開。
〇同月12日、東京労働局はグ社に関する労働相談を開始。
〇同月17日、グッドウィルユニオン(グッドウィル労働組合)は日雇い派遣労働者に対する保障を
要求する緊急声明文をグ社と厚生労働省に提示。
〇同月18日、事業停止命令の処分が実施。これによりグ社は全708支店が2〜4カ月間の事業停止。
契約派遣先との新たな締結、延長、更新が出来なくなる。
2008年2月22日現在、停止処分中。
さて、まだ記憶に新しい去年の六月に起こった「コムスン事件」に続いてのグッドウィルグループへの
行政処分なわけですが、ここで和清が一つ疑問に思うのは、
『なぜグッドウィルグループばかりが目の敵にされているのか?』
と言うこと。
脱税をしている疑いがあるから、まずは外堀から埋めていって金の流れを掴もうとしているのか?
とか、
フリーターをこれ以上増やさない為の元絶ちか?
とか、
最大手だからこその単なる「見せしめ」か?
とか、
まあ色々な思いが脳裏を過ぎる訳ですが、ここは憶測で物を言うのはよしましょう。
『違反をしたから罰せられた』
ただそれだけの事なのでしょう。
実際この会社、人づてに聞くだけでもかなり酷い会社だと聞きます。
労災隠しや企業側から交通費を請求しといて派遣労働者には払わなかったり、
労働保険や社会保険の適用を除外したり、
少し前に話題になった賃金からの不透明な天引きなど。
営業所の人間もいい加減な人間が多く、
「ただ単に現場に出たくないという理由だけの人間が事務に入っている」
なんて噂も聞きます。
さて、ここで少し話題は逸れますが、実を言うと、この和清もその昔、
少しの間ですがグッドウィルにお世話になっていた時期があるのです。
引越し業務が主でしたが、二日間ほど建設現場へ派遣された事がありました。
内容はエレベーター工事の補助業務。職種上、当然、高所作業もありました。
まあ、これは明らかな労働者派遣法第4条に違反する違法派遣なわけですが、
そんな事とはつゆ知らず、当時の和清は何も疑問を抱かずに働いておりました。
「港湾や建設現場への派遣って違法だったんだ」
と、今回の事で知った人も少なくはないんじゃないんでしょうか?
そうなんです、こんな事は随分と以前から行われてきた事なんです。
和清から言わせてもらえば「何を今更‥‥」という感がありました。
例を上げると、埼玉スーパーアリーナの建設中でもグッドウィルの派遣労働者など何人も
見ましたし、営業所では安全帽と安全帯、安全靴の貸し出しもしていました。
これだけ当たり前のように行われていると、
「営業所の人間でもこの法律を知らなかった人間がいるんじゃないか?」
と、疑いたくなってしまいます。
しかし、それでも和清が言いたいのは、
『派遣先がどうあれ、とにかく生活は助かった』
という事なんです。グッドウィルのような会社が『必要悪』だとまでは言いません。
違法行為をしているような会社に対し政府は、どんどん摘発してもらって結構です。
しかし、それによって被らなくてもいい被害を被る人々が居るという事を忘れないでもらいたい。
『コムスン事件』の時もそうでしたが、それを行う事によって明日の生活すら危ぶまれる人々が
居るのです。
まずは、そういう人達への救済措置が先決なんじゃないのでしょうか。
グッドウィルユニオン(グッドウィル労働組合)は厚生労働省に対し、
今回のグ社に対する処分により予想される失業者全員に対し日雇雇用保険の遡及加入を
申し入れたようですが、厚生労働省側は、
『日雇雇用保険の遡及加入は行わない』
と回答したようです。
グ社側も何か保障しようとする様子は見えません。
東京労働局も失業者への相談は受け付けているようですが、相談はあくまで相談、
生活を保障してくれるわけではありません。
結局、上でばかりやり取りをしていて、その下で働いている人々へは目が向いてないのです。
『親分が馬鹿だと苦労するのは子分』
なんて言葉がありますが、今回の事はまさにそのままなんじゃないんでしょうか?
そして、登録者数290万人と言われているグッドウィルの日雇い派遣労働者の人達が
本当に願っているのは、二重派遣や違法派遣の摘発ではなく、
『劣悪な労働条件の改善』
なんです。二重派遣は派遣料金を取る会社が増えるので派遣労働者の賃金を引き下げます。
これも劣悪な労働条件の一つですが、それ以上に和清が言いたいのは、
『派遣先での労働環境の改善』です。
某大手引越し会社では「グ社から来た奴は人間だと思わなくていい」という、
ふざけた社員教育をしているという噂を聞いた事があります。
その話が事実かどうかは分かりませんが、
実際、和清もその会社に派遣され、酷い扱いを受けた事があるのは確かです。
しかし、グ社側はそんな派遣先に対して抗議をする事は一切ありません。
これは明らかな、
『派遣労働者の使い捨て体制』
なんじゃないんでしょうか。今回の事に関しても、登録者には「1月18日より業務が停止します」
といった内容がメールで送られてきただけのようです。このようなおざなりな対応も『使い捨て体制』
を明らかにしているように思われます。
グ社にはもう少し自分達が派遣する労働者に対し、責任と思いやりを持ってほしいものです。
そして政府は、日雇い派遣の人達がどれだけ劣悪な環境で働いているのか、という事を認識し、
それを改善する案を出してほしいものです。
労働者の願いはただ一つ。
『良い環境で労働力に見合った賃金を』なんですから。
それではまた。